「お前は嫌われている」という毒母の嘲笑
加藤諦三「言いたいことが言えない人」を読んでいたら、突然、過去の記憶が蘇ってきた。
この手の本を読んでいると、心の奥深いところこっそりと潜んでいた怒りが、突然表に現れてくる。
小学5年の時、突然、普段あまり遊ばない秀明から「学校さこいど」というTELがあった。
確か、日曜だった。
母親は「なんで学校にこいって呼ばれたんだ?電話してきき直せ」と命令した。
「理由もわからず行くなんて、バカだ」という一言を付け加えるのも忘れなかった。
どういう話の流れか忘れてしまったが、母はさらに
「お前は嫌われてんだ!!」と僕に宣告した。
周りには兄や妹がいた。
僕はこのとき、友達から嫌われていることはもちろん気づいてた。
むしろ、すごく悩んでいて、どうしたらいいかわからずにいた。
孤独の中にいた。
今思えば「いじめ」に遭っていたと言っていいだろう。
近所にはたくさんの同級生がいたが、いつも帰るときは一人だった。
でも親に相談することはできなかった。「恥ずかしい」という気持ちが先立った。
母親が「お前は嫌われてんの!!」と僕を突き放した時、母の目は、しっかりと僕を見据えていた。目には、嘲笑が含まれていた。
無力な僕は、小さく頷くしかなかった。
今思い返せば、あのときの僕は、本当にかわいそうだった。
小学生なのに、家庭に仲間はいなかった。
家庭に居場所がないことが当たり前だった。
部屋にこもって音楽を聴きながら漫画を読んでいると、姉が部屋に入ってた。
「ガキのくせに一人で電気つけてストーブつけてお金無駄にして生意気だっていってけっばよ」と勝ち誇ったように言うのだった。
こうした家庭で生きてきた中でも、僕はなんとかここまで生きてきた。
いっぱしの社会人として生きてきた。
子育てにも真正面から取り組んでいる。
そんな自分を、まずはたたえたいと思う。
でも、たたえる気持ちが2日と続かない。
それが毒親の子供だ。